発達科学の先人たち(’16)を受講した感想

履修科目

2021年第1期に受講、入学して最初の科目登録のひとつです。

「心理と教育に関心を持つすべての学習者の履修を期待したい」と講義概要にあったので、今後心理学の授業をとるなら受けておくべき科目だろうと判断しました。

13人の先人たちの足跡をたどる、とても充実した内容の授業でした。

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授業概要

人間の精神的発達に関わる様々な事柄を研究し、化学的に分析考察する学問分野『発達科学』。

その『発達科学』の分野で顕著な足跡を残した先人たちについて学んでいきます。

コース・科目心理と教育コース 導入科目
放送形式ラジオ放送 45分×15回
主任講師岩永 雅也(放送大学長)、星 薫(放送大学客員准教授)
単位認定試験択一式

目次

第1回 発達科学と先人の足跡
第2回 アリストテレス:『心とは何か』
第3回 貝原益軒:『和俗童子訓』
第4回 ダーウィン:『人及び動物の表情について』
第5回 ヴント:『民族心理学』
第6回 デュルケム:『道徳教育論』
第7回 シュタイナー:『子どもの教育』/『教育術』
第8回 モンテッソーリ:『子どもの発見』
第9回 バートレット:『想起の心理学』
第10回 ピアジェ:『知能の心理学』/『思考の心理学』
第11回 ハーロウ:『愛のなりたち』
第12回 アリエス:『<子供>の誕生-アンシァン・レジーム期の子供と家族生活』
第13回 清水義弘:『試験』
第14回 土居健郎:『「甘え」の構造』/『続「甘え」の構造』
第15回 先人たちと現代社会

感想

わずか45分の授業ですが、人物の背景と功績のエッセンス的な内容で、毎回とても充実した授業でした。

今では当たり前の事が当たり前ではなかった時代に、研究や実験を重ねた結果があり今があると改めて実感しました。

取り上げられた人物には、心理学者ではないアリストテレスや、ダーウィンも足跡を残した人物として紹介されています。

正直に言えば、それ以外の人は誰も知りませんでした……。

日本人では貝原益軒、清水義弘、土居健郎の3人が取り上げられています。

第14回 土居健郎の『「甘え」の構造』は、1971年の刊行以来、今日も読み継がれている古典だそうで、45分の授業を受けただけでも大変面白かったです。

「甘え」の最も簡単な定義は、「人間関係において相手の好意をあてにして振る舞うこと」で、「私は甘えている」と自覚した時は、もはや甘えていない、甘えられない状況であるそうです。

何だかあざとい感じがしますが、確かにそうかも知れません。いろいろ考えさせられました。

ちなみに土井先生はアメリカ留学で体験したカルチャーショックから、自らの「甘え」に気づき研究をはじめたそうです。

そしてこの授業は、放送大学名誉教授の齋藤高雅先生が担当講師でしたが、なんと土井先生の教え子だったそうです。

齋藤先生の、土井先生への想いなどが要所要所で伝わってきて、とてもあたたかみのある授業でした。

第12回 アリエスでは、ほぼ17世紀まで子供という概念がなかったという、今では考えられない話もあり驚かされました。

そういえば、主任講師の岩永先生が学長というのも驚かされました。

学長自らが授業を受け持つという頭がなかったです。

学長は30年以上も放送大学で教え続けてこられた先生らしく、放送大学愛が強いのではないかなと勝手に推測してます。

私の卒業までぜひ長く学長を務めて続けていただきたいものです。

ちなみに、もう一人の主任講師の星 薫先生は、心理学に精通されており、星先生の授業は認定心理士を目指す方には必須で、とても人気がある先生だそうです。

そして、ラジオ授業に登場する聞き手の二宮朋子さんは、朗読や質問を投げかけたりなどする重要な役割を担ってますが、とても聴きやすくて素敵な声なので、何者なのだろうと調べてみるとフリーアナウンサーだそうで、納得しました。

なんと、放送大学に10年通われたとおっしゃってましたので大先輩でもありました。

放送大学の授業は、そういった方々が力を合わせて作り上げられているんですね。

単位認定試験

結果は◯Aで無事合格できました。

択一式で、4問の中から正解を選ぶ形式です。

2021年は郵送式で、自分のペースで試験が受けられるので、提出前に何度も確認できたのと、自宅なので緊張感が一切なかった事に救われました。

コロナ禍前の会場試験の際は、ノートやテキストの持ち込みも出来たようです。

試験内容は、誰それのというワードが出てきてその章を調べればすぐにわかるので、テスト自体の難易度は低いですが、テキストを見なかったとしたら正解率はかなり低かったと思います。

2022年1期からインターネット上での試験になり、今後会場で受けることは一切なくなるのかはわかりませんが、一度も会場で試験を受けたことがないのもちょっと寂しいなとも思ったりする、今日この頃です。

まとめ

発達科学において、顕著な足跡を残した先人たちを知る事ができます。

担当講師の岩永先生は大学長で、星先生は人気講師です。

心理学に関心がある学生なら、受けて損はない科目です。

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