2021年1期に受講、入学して最初の科目登録のひとつです。
とても面白く、おすすめできる授業です。
記述式の試験も慣れは必要ですが、やって良かったです。
授業概要
第一部では、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教、それぞれの宗教の世界観や教義を学びます。
第二部では、領土問題とはなにか、なぜ起こるのか、民族間の問題、北方領土や竹島、尖閣など、日本が抱えている領土問題について学びます。
この科目は、宗教と日本の領土問題に焦点を当て、国際社会への理解を深めることを目的としています。
コース・科目 | 基盤科目 |
放送形式 | ラジオ放送 45分×15回 |
主任講師 | 高橋 和夫(放送大学名誉教授、国際政治学者) |
単位認定試験 | 記述式 |
目次
第1回 ユダヤ教,キリスト教,イスラム教
第2回 ユダヤ教
第3回 イスラム教
第4回 光と闇の戦い/ゾロアスター教
第5回 ペルシア帝国とユダヤ教徒
第6回 「三博士」の贈り物
第7回 ゾロアスター教的世界の広がり
第8回 東アジアの国際情勢/日中関係の構造
第9回 領土問題とは何か?
第10回 なぜ領土問題が起こるのか?
第11回 日本の領土問題
第12回 北方領土問題
第13回 竹島問題
第14回 尖閣諸島
第15回 沖ノ鳥島
感想
ラジオ科目はひたすら耳で聞くだけですが、他の事をしながらも聴けるので、これはこれで良いものでした。
講師は、放送大学で一番人気のある先生ではないかと思われる、高橋和夫先生です。
大阪外国語大学ペルシア語科卒、国際政治学者であり、放送大学の名誉教授です。
中東問題の第一人者であり、国際政治に精通され、たくさんの著書も出版されています。
なんと湾岸戦争前には、サダム・フセイン(イラク元大統領)とも面会しているそうですよ。
そして、NHKクローズアップ現代などテレビやラジオにも、多数出演されておられる著名な先生でもあります。
ウィキペディアでは、趣味は俳句、短歌とありましたがどうなのでしょうね。
高橋先生の授業は、内容はもちろん、ユーモア溢れるトークも大変面白く和ませてくれます。
例えばですが、
第一回目の授業、冒頭は映画『十戒』のテーマ曲がしばらく流れました。
いつ授業が始まるんだろう?と思っていると、
その後の説明で、『なぜこの音楽を最初に持ってきたかと言うと』のくだりで、
『(前略)ふと聴いてくださった方が音楽番組かなとか、映画番組かなと勘違いして聴いてくださるんではないかと淡い期待をいだいたからでもあります』
とおっしゃられ、思わずフフッと笑ってしまいました。
第二回目では『今日でもう二回目ですから、次もいけばもう三回。三日坊主への道をちゃくちゃくと進んでいるということになると思います』
などと、豊富な知識や経験から語られる内容に加え、毎回何かしら面白い事を挟んできては心を和ませてくださいます。
大学でとても人気の先生なのも頷けますね。
また、知っているようで知らなかった世界をたくさん知ることができました。
映画やドラマ、ニュースなどではよく、ユダヤ教やキリスト教やイスラム教の名前を耳にするものの、実際はよくわかっていなかった、知ろうともしなかったこれらの宗教の基礎を知ることにより、各宗教の見方がだいぶ変わりました。
知識があって見聞きする内容と、知識がなく見聞きする内容は全く違うものです。
身近なものではなかったとはいえ、国際社会の一員として知っておくべき事柄だと思いました。
国際理解には外国語の学習がいいらしい
授業科目案内の、【履修上の留意点】で、
”国際理解の第一歩は相手の目から状況を見る想像力です。広い読書や実体験で、想像力を養ってください。また、その方法のひとつは外国語の学習です。”
と書かれてありました。
その通りなのでしょう、よくわかってはいるのですが……。
外国語が苦手とは言わず、少しでも外国語を身に着けたいものです。
通信指導
通信指導の形式は記述式で、750以上800字以内で回答をする形でした。
通信指導はテーマが一つ出題されます。
「〇〇を論じなさい」という設問が出ました。
はて、「論じなさい」とはなんぞや?
ネットで論じ方を必死で調べ、自分なりに何とか解釈し、書き上げました。
その後も、気になっては書き直してを繰り返してなんとか750以上800字以内で解答できました。
解答した後も、あれでよかったのか、あそこはああするべきだったかなど、また何度も読み返していましたね。
送付から返信まで
そんな感じで、記述式に戸惑いつつもなんとか完成させ、封をして第四種郵便で送りました。
郵便局員さんも第四種郵便の手続きに慣れていないようで不安でしたが、無事届きますようにと願い数日後。
先生から赤文字の指導・助言が返ってきましたよ。
自分的にはすごく頑張ったけど、結果はどうなんだろうとビクビクしながら開封。
そこには、
「よくまとめられてます、今後も期待しております」
という2行の文字と先生の印鑑が押してありました。
2行ではありますが、先生の手書きの文字と文面が、達成感といいますか、何というかとてもとても嬉しかったです。
記述式の解答にすごく消耗したので、もう択一式しか取らない、記述式の授業は視聴するだけにする!
と思ったりもしましたが、頑張った分喜びもひとしおで、結果的には記述式やって良かったです。
しかし、全部に目を通して返信される先生は大変ですよね。本当に頭が下がります。
第四種郵便の切手代
第四種郵便物 (中略) 法令に基づき監督庁の認可または認定を受け通信による教育を行う学校または法人とその受講者との間にその通信教育を行うために発受する郵便物です。
日本郵便ホームページ 第三種・第四種郵便物より
第四種郵便なので切手代は15円でした。

すごいですね、そんな郵便システムがあるとは知りませんでした。
切手代もバカにならないので、ありがたいですね。
単位認定試験
二つの設問が出題され、どちらかを選んで論じる形式でした。
一つは通信指導と同じ設問でした。
そちらを選べば簡単だとも思ったのですが、新たなチャレンジをしたほうが勉強になるはずと、もう一つの設問を選びました。
しかし思い切ってチャレンジしてみたものの、そのテーマは内容の理解が浅く、教科書をただなぞるようなつまらない解答しかできませんでした。
通信指導の際は、自分で調べたりして得た知識も交え、なかなか良い解答できたと思うので、それと同じように出来なかった事に落ち込みました。
そこまでの努力ができなかった自分も反省しました。
結果
結果はBでした。
つまらない解答だったのにBを取れたのは良かったのですが、この科目ではAが欲しかったです。
やれなくはなかったのに、やらなかった自分。
先生が期待される”素敵な答案”には程遠いとわかっているので、合格して単位はもらえたけれど、とても悔いが残る試験でした。
先生もがっかりされたことでしょう。
記述式試験について
試験も無事に終えて、それぞれの宗教に関して人にも説明ができる自分がいて、アホな自分でもちゃんと理解することができてる事に驚いています。
これは記述式を乗り越えたからに他ならないと思います。
最初は難しそう、面倒くさいなど、後悔しかけた記述式も、理解を深めるにはとても良いものだと認識しなおしました。
先生自身も、記述式にこだわっているとコメントされています。
確かに記述式の場合は、ちゃんと内容を理解していないと何も書けないので、自分の中に落とし込めるまで何度もテキストを読み返し、必然的に疑問に思ったことは調べる、という事をしていました。
だからこそ、より理解が深まるのでしょうね。
試験に関しては、悔いが残る解答をしてしまい若干落ち込みましたが、「国際理解のために(’19)」の改定科目が出たらまたぜひ受けたいと思っています。
先にも書きましたが、履修者は改訂科目を受けられない場合もありますが、これは受けられるので嬉しいです。
もちろん、高橋先生の他の科目も全部受けるつもりです。
そのくらいファンになってしまいました。
先生は現在70代ですが、ぜひ生涯現役で頑張っていただきたいです。
また、高橋先生以外の記述式の科目にも果敢にチャレンジしていくつもりです。
まとめ
高橋先生の授業はユーモアが溢れていてとても面白く、学生なら一度は受けておくべきです。
知らなかった宗教の問題、領土問題などを知ることができます。